Saturday, July 02, 2005

参考:イタリア人と結婚する人へ。

久しぶりに一人の夜。ネットで国際結婚についていろいろ読んでみました。 昨年は年明け早々から、書類の手続きについてせっせと情報を読んでいました。
今日、再び以前読んだことのあるページ等に目を通してみました。イタリア人とイタリアで結婚する例は簡単に発見できるようですね…。
じゃ、イタリア人と日本で結婚する時の手続きって?という人のために記憶を出来るだけたどってみましょう。(イタリア人と日本人のカップルだけでなく、欧米のほとんどの国々の出身者の方との入籍でも同
じプロセスになると思います。)

注意事項)・今回のケースは「イタリアに住むイタリア人と日本に住む日本人とが、日本で入
籍をする」
場合です。(日本在住中のイタリア人の方は在日イタリア領事館へお
問い合わせください。)
     ・記憶に頼っての話なので参考程度にご覧になって下さい。
     ・正確な手続きについては各管轄役所にその都度問い合わせをしてください。
      (相手の国籍によって書類などが変わります。)
     ・日本は近年のお役所仕事の向上により、比較的スムーズに進むことが多いです
      が、イタリア側はお役所仕事は日本に比べ後進国で、時間も手間もかかるようで
      す。
      時間的余裕と「心」の余裕をもって準備をしてください。
     

最終的には以下の書類を日本の役所に提出します。
1.婚姻届
2.戸籍謄本(日本人の方)
3.パスポート(外国籍の方)コピーもね。
4.婚姻要件具備証明書(外国籍の方)
 (ただし、これは日本での呼び方で、外国籍の方については『出生証明書』『独身証明書』『住民登録書』などがこれにかわります。イタリアでは裁判所に出向いて独身である証明の宣
 誓手続きなどが必要になるそうです。)
5. 上記4.の書類の翻訳(翻訳者のサインと印鑑をつくこと)

と、提出書類は案外シンプルなのですが、それらの書類を揃えるのが面倒かも…。では、それぞれを見てみましょう。

  1.日本人のあなたがすること。

ー 戸籍謄本を取り寄せと翻訳
  本籍のある市役所で発行してもらいます。私の場合はすべて郵送で行いました。

ー 婚姻要件具備証明書の準備と翻訳/外務省でアポスティーユもらってください。
  日本での婚姻では必要ないのですが、イタリアの相手側の手続きのために必要でした。
  この書類はお住まいの地区を管轄する法務局で発行してくれます。
  私の場合は仕事が忙しかったので、郵送で手続きしました。
  法務局に電話で問い合わせをして、必要な書類や郵送方法を教えてもらいました。


ー 住民票の取得と翻訳
  やはりイタリア側に提出するために必要だったような…。

基本は日本国籍者は戸籍謄本と身分証明書、婚姻届の準備だけなのですが、イタリアの相手がイタリア国内で準備をするための書類が付加されると思います。
またすべての書類を翻訳し、イタリアでも使えるようにしました。

  2.イタリア人の方がすること

ー出生証明書、住民登録証明、独身証明書の発行
 これらは書類によって役所が異なるので要注意。また、独身宣誓のため裁判所へ向かう必要
 もあり。
 また、公示期間がひつようなため2週間は余裕をみること。
 公示期間とは役所の掲示板に「○○さんと○○さんが結婚します。異議のもうしたてを受け
 付けます。」
 という張り紙がされます。
 お二人の結婚に異議申し立てがなければ、必要な書類が発行されます。

 イタリアの相手の方にはくれぐれも、その都度詳細を役所で確認するように伝えてくださ
 い。

ーパスポートの準備
 コピーもとっておきましょう。

準備する書類はこんなものだったと思います。
ただし、双方の書類のやり取りがとても重要です。書類が足りずに、来日が無駄になった…なんて悲惨なことにならないように、念には念を入れて役所に確認をとりましょう。
私たちの場合はPDFファイルに取り込んで、パソコンでやりとりしたので、準備期間がかなり短くできました。
また、イタリア語の翻訳については イタリア語→英語→日本語 自分達で行いました。

書類が揃って、相手の方が日本へ来てくれれば後は保証人2名をたて、署名・捺印をしてもらった婚姻届と準備した書類をもってお住まいの役所へ提出することになります。
私達の保証人はBambinaの両親にお願いしました。
また法務局、区役所の担当者の人たちがとても親切で、Bambinaの場合はとてもスムーズに手続きがすすみました。
婚姻届提出のために私たちが出向いた、福岡のある区役所の担当職員の方はとても親切で、融通の利く方だったので、待ち時間も入れて婚姻届出証明書の発行まで30分程度で完了。
本籍地の役所まで連絡を入れて、新たに独立した本籍をつくるための確認まで全部してくれました。

(戸籍について)
婚姻が成立することで、あなたの戸籍は家族の戸籍から離れ、独立したものがつくられます。
戸籍の場所は現在の居住地、従来通りの戸籍地のどちらかを選べます。Bambinaは従来通りの戸籍地を選びました。
外国籍の人との婚姻については「○○国の○名前○と婚姻」てな感じで記録が戸籍に入ります。
パートナーは戸籍には登録されません。
子供が日本国籍に入るまでは「あなた」が戸籍の筆頭者で記載される名前は「あなた一人」です。

(氏名について)
外国籍の人との婚姻については別姓も認められています。
外国籍の姓を名乗るのであれば、婚姻届日より6ヶ月以内に変更の届け出をしなければなりません。
もちろん、婚姻届提出と同時の手続きも可能です。
6ヶ月経過以降の姓の変更には家庭裁判所への出頭が必要となり、正当な理由を述べる必要があります。

(余談…)
Bambinaの場合、個人的な意思もあり姓を変更しませんでした。(だって、生まれてからずっと、この名前なんだから、変更する必要はないと思うんです。)
また、仕事で金融関係に携わっているといろいろと面倒な法律があって、戸籍通りの氏名を仕事でも登録・使用しなければ罰せられる…という法律があるんです。
という理由で婚姻届出後もイタリアと日本で別居し、仕事を続けたので氏名変更しない方が都合がよかったのです。
また、幸運にもイタリア(ミラノ)では夫婦別姓が当たり前のようで、問題無し!

でも、スイスに来てからは学校の先生、病院の先生にパートナーがイタリア人だと話すと
「え、でも名字がイタリアの名前じゃないよ?」
と言われることが多いのです…。
そんな時は「私は私の名前を使うの!」と言います。

さて、日本の手続きが完了したら、イタリア領事館へ婚姻届出受理証明書を送付しなければなりません。
送付すると、領事館からイタリアの相手の居住地へ書類が転送され、婚姻した旨が記録されます。
この手続きをしなければ、日本人のあなたがイタリアへ移って暮らそうとしても家族ビザも滞在許可証ももらえません。
また、自分だけ結婚していて、相手は自分の国でまだ独身のまま…という状況が発生することにもなります。(これには難しい法律用語がありましたが、忘れました。)
領事館へ送付する書類には鉛筆でフリガナをうっておいてください。
(在日イタリア領事館へ確認してください。参考:在日イタリア大使館・領事館/結婚手続きについて

という流れになります。

正直なことを言うと、BambinaはManuに全部指示を受けて動いたので、あまり大変な思いをしていないのです。そのためプロセスも今日の今日まで98%忘れていました。
しかし、きっとBambinaが「のほほ〜ん」としている今、日本のどこかでイタリア人と日本で結婚するんだー!と情報を探している人がいるかも…と思って一生懸命思い出してみました。

さて、ここで違う流れのお話もしておきましょう。
私たちは入籍後、別居を続け4・5ヶ月後にパリで生活をはじめました。
そこでEUレジデンスとなるべく、パリでフランス滞在許可証を取得する準備を始めました。
役所で受け取った「婚姻届出証明書」を公認翻訳事務所へ送って、翻訳してもらいその翻訳書と婚姻届出証明書を外務省へ送付。アポスティーユを発行してもらいます。
アポスティーユが無いと、公的書類として認められないからです。

後は、フランスの住民登録手続きの手順を踏みます。(これまた長い時間警察署の外で待って、書類を受け付けてもらって、不備がなければ3ヶ月後に健康診断などの手続きと面接…などなど)

そして時は流れ、結局パリに1ヶ月滞在したら神戸に転勤。
神戸にいる間にイタリアの家族同行ビザを取っておこう!ということになり、大阪のイタリア領事館へ。
提出した翌日には「ビザ出来ましたよ〜」って連絡が入り、思わぬ早さにビックリでした。
(注意:学生ビザ、シュンゲン協定国以外の国籍者のビザをはじめ、いろいろと手間のかかる場合の方が多いのが当たり前だそうです。)
365日のマルチエントリービザが発行されました。このビザのおかげでイタリアの住民登録、スイスへの通関などでいろいろ助かっています。

ついでだから…
   3.イタリアでの住民登録ーBambinaの場合
2004年の年越しぎりぎり前に、パートナーの住所がある警察署へ住民登録のための手続きへ出向く。
当然、1回では終わらない。
まずは午後1時から1時30分の30分間の間に管轄の警察署へ出向き、「書類手続きをするための予約」を入れる。
予約日時を指定されるので、その指定日に必要書類を持って参上。

ー住民登録申請用紙(警察署でもらってください)
ー居住する場所の証明書(家の所有者が違う人なら、その人の署名が必要)
ーパスポートのコピー(写真のページ、入国スタンプのページ、ビザのページ)
ー証明写真(3〜4枚)
ーイタリアの役所で相手の婚姻証明書ももらっておきましょう。
ー相手の身分証明書

きっと、これ以外にも「この書類がない、あの書類がない」と注文を付けられる人もいるでしょう…。
幸運にも私の場合は1回半でパス。半…の部分は居住する家の所有者が義理姉名義だったので、家にもどってサインしてもらうことになったためです。


問題なく受理されれば、
ー手に黒インクをつけられ、両手の指紋をとられます。
 すごい勢いでベターっと付けられます。小学校の時にしていた「版画」を思い出すのよね…。

この黒インクの歓迎を受ければ、手続きは終了。お家へ帰れます。

そして、突然…警察官が自宅へやって来るのです。
そう、移民政策が厳しくなったイタリアではあらゆる「偽装」を防ぐために個別訪問をしてチェックしているのです。
Bambinaの場合、ちょうどスイスにいた時に警察官の訪問があり、お姉ちゃんが「彼女は今バカンス中で来週しかもどらないわよ〜」と話をつけてくれ、警察官の訪問予約を取り付けてくれました。
だけど、この日は実際に家の中に入り、お部屋のチェックまでして帰ったそうです。もちろんこれは「偽装」していないか、他に違法滞在者などがいないかなどの合法行為です。

翌週、予定通りに警察官は家へやって来ましたが、私とは「ボンジョルノ」と一言話しただけで、あとはお姉ちゃんと会話、せっせと書類を書いて次の訪問先へ行っちゃいました。
しかも、「必要な書類を忘れた!」と警察官のセニョール…。仕方ないから、と私の情報書類の裏紙にいろいろ書き込んでいました…。

そして待つこと5ヶ月半。無事に5年有効の滞在許可証を取得しました。
後は市役所でIDカードを発行してもらってください。

長くなりましたが、これから諸手続きをされる方、くれぐれも気を長く持ってください。
それぞれのケースによって、かかる時間も書類も全部変わると思いますが、お互いの協力なしでは成立しない手続きだということを肝に銘じて、とりかかってください。

    

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